【英語学習】明日の英検準1級試験に備えて(自分の備忘メモ)

  • 英検の問題の出し方はとても丁寧で、「どっちつかずな選択肢」というものが存在しない。仮に本文が日本語ならば、100人が100人正解の選択肢を選ぶような問題作りをしている
  • つまり、選択肢を選ぶにあたって迷うということは、本来あり得ない。もし迷ったのだとしら、何かしら致命的な読み違いをしている可能性が高い。リスニングの場合、巻き戻しようがないが、読解の場合はパラグラフの前段に戻ってじっくり読み返すこと
  • 英作文はいきなり書かない。4つのキーワードは製作者のヒント。あのキーワードを手掛かりに、「日本語で」論拠を考える。私に英語で複雑なことを伝えきる能力は無いし、そもそも字数が足りない。たとえ、英語が多少ヨタヨタでも、100人が読めば100人が「ああ、ハイハイ」となる文章を書かないと伝わらない
  • 100回受ければ100回合格できる程度には実力を付けた、という自負はある。これで落ちたとしたら、それは自分の慢心以外の何物でもない。制限時間をフルに使って、悔いのない結果を残したい。
  • 正直、新型コロナのせいで、試験が延期となり悶々とした気持ちを抱える1か月だった。ようやく終わると思うと、ちょっと嬉しい。

以上

【読書日記】「待場の親子論」と「現役官僚の渡英日記」

「待場の親子論」(著者:内田 樹、内田 るん)<中公新書ラクレ

 

 

極上の素材が、間違って調理されてしまった本

 

 そっちじゃない、というのが感想。タイトルからして、編集者は親子の話を主軸にしたかったんだと思う。るんさんは割とそこは忠実に守ろうとしているけど、内田樹さんは意図して曲げた感がある。るんさんの意図通りに進んだら面白かったと思う。武道とか政治の方に話がいってしまった。それならば書簡相手がるんさんである必要がなくなる。

 

 るんさんが、例えば離婚した母に対してどう考えていたのか、内田樹さんの再婚相手に対してどういう感情を抱いたのかとか。父親と娘の微妙な問題に対しての考察を期待してたのだけれど、そこは触れられていない。親子関係に話を合わせて欲しかったんだけど、内田樹さんはそうしたプライベートな話はしたくなかったのだろう。内田樹さんは「両者の話は微妙に食い違ってるよね」と発行インタビューでも、前書きでも言っていたけど、これは確信犯的にずらしたのだと私は思っている。

 

 また、これは本筋からずれるけど、るんさんのフェミニスト活動のくだり。試みの一環として、男性のカラフルな服を安く売るっていう試みが紹介されていた。趣旨としては、男性の服にはカラフルなものがない。黒とかグレーとかに偏りすぎている。仮にあっても高価だから、中々手に入りづらいという状況。 一方で、男性にも可愛いものを期待という欲望があるはずで、それを叶えるために、古着として安いものを提供するというアプローチ。

 

 そのことに対する個人的な是非はさておき、この考えは内田樹さんがかつて「困難な結婚」で語ったるんさんの過去の記載と真っ向から対立する。内田樹さんも若い時、女の子に女の子らしい服を与えるから、無意識に性差が埋め込まれると考えて、意識的にジーンズとか男の子っぽい服を与えていんだけど、るんさんはびっくりするほど見向きもしなかったらしい。ある日、「お父さんの趣味でああういう服を着せるのを辞めて」と言われてしまったと。
 
 つまり性差はある程度、先天的に埋め込まれている、というのが樹さんの結論だったと理解している。もちろん、るんさんがそうだからといって、全員がそうとうは言い切れないことは理解しているけど、企業としては大多数の趣味嗜好に合った経済活動がメインで、ニッチ層に合わせるためには相応の費用が必要なのは利益追求の団体としてはごく自然な気がする。

 

「現役官僚の渡英日記」(橘宏樹)<PLANETS>

 

「ルイ・ボナパルトブリュメール18日」を想起させた本


 とても読んでて面白かった。ちょっと高かったけど、その価値はあった。ああ、官僚って、こういうふうに他国を見るのねという印象。留学日記とあるけど、日常生活に関する記載はそこまでない。

 

 個人的に凄いなと思ったのは、ディナー中に担当教授に対して著者が考えるイギリスの戦術論を話したくだり。ディスカッションの後、「楽しい時間だった、今度また2人で食事しよう」と言われるのだが、言語ハンデを背負って、そこまで言わせられるのは本当に凄い。素直に尊敬する。

 

 あと、参考になった箇所は、引用文献に関する考察。「引用とは演出戦略である」っていうのは慧眼だと思う。

 

以上

【読書日記】中川淳一郎氏の一ファンとして、皆さんに読んでほしい二冊の本

  1.  読んでほしい二冊の本
  2. そもそも中川淳一郎とは何者なのか
  3. 「夢、死ね!」はサラリーマンの仕事の本質は『怒られたくない』ことだと教えてくれた
  4. 「内定童貞」は仕事の先に夢があることを教えてくれた

 

1. 読んでほしい二冊の本

 中川淳一郎氏が、2020年8月31日をもってセミリタイアされるとのこと。それ自体は「本当にお疲れさまでした」の一言に尽きるのだが、セミリタイアされることで、当然表に出る機会が減り、その結果段々と知名度は下がっていき、併せて本も売れなくなり、いずれは本屋さんから消えていく。その前に、ということで本記事を書こうと思い立った。分量がそこそこあるので、眠れない夜に読んで頂きたい。*1

 

 まず、前提として、著者はファンといいながら、以下の本しか読んでいない。したがって、その前提の上での個人的意見ということをあらかじめ了承頂ければと思う。

 

<番外編>

 

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新書が多いのが特徴かもしれない

 

 結論から言おう。皆さんに、特に学生や、キャリアに悩んでいる人に、是非読んでほしいのが、下記2冊である。

 

夢、死ね!若者を殺す「自己実現」という嘘(星海社新書)

 

内定童貞(星海社新書)

 

この記事を書くにあたっての私の目標は、これを読み終えた皆さんが、上記を手に取って購入される(別に購入しなくても良いが少なくとも読んでいただく)ことにある。想いを込めて語っていきたい。

 

2. そもそも中川淳一郎とは何者なのか

 

  経歴だけを、簡潔に書くと以下のようになる。

 

が、これだけでは、いまいち実態が掴めない。

 

 私の勝手な意見を言わせてもらえれば、中川淳一郎という人は、「建前が許せない人」であり、「言葉を飾らない人」であり、「当時、賛美にあふれていたインターネット社会を表立って公然と非難した人」である。*5

 

 今の人はインターネットは、良い面悪い面両方あるというのは当たり前の事実のように受け止められていると思うが、少なくとも2000年代前半はそうではなかった。イメージとしては今のAIブームに近い。インターネットといえば、ほとんど理想郷のように言われていた。そこへ出てきたのが、当時ではまだ少なかったネットニュースを編集者として関わっていた中川氏が出した「ウェブはバカと暇人のもの」であり、当時ほぼ無名に近かったにも関わらず、かなり売れた。正確な冊数は私にはわからないが、私の手元の本だと、

 

  • 2009年4月20日 初版第1刷発行
  • 2009年5月15日 2刷発行

 

とある。1か月と経たないうちに、新書というジャンルで重版がかかったのだから、少なくとも出版社の予想を超えた売れ行きであったことは間違いない。私自身、中川氏を知ったのは、この本だった。

 

  しかし、この本を読み終えたとき、中川氏に対する私の印象は良くなかった。この本の伝えたいことは、「ネットはあなたの人生は変えない」であり、それ自体は当時の私でも薄らぼんやりと感じていたのでまぁいいとして、「なぜここまで毒々しい言葉を使うのだろう」というものだった。実はこの本は色々エピソードのある本でもあって、初めて中川氏の本を読むという人には、自分は薦めていない*6

 

  中川氏の本を再度手に取るきっかけとなったのは、私が社会人2年目の時だった。私は、意識高い系学生から見て、その名前を口に出しただけで「情弱」というシールを頭に1,000枚くらい張り付けられるような会社に就職した。*7最初の1年は、「ああ、会社で働くというのはこんなもんなのかなぁ」と思ってやっていたが、2年目くらいから「このままでいいのか」「意識高い系学生たちが実は正しかったのでは?」という想いに苛まれた。ただ、具体的に何に悩んでいるかといわれると、上手く言語化出来なかった。そもそも初めて勤めた会社なので、相対化が出来ない。果たして、会社が異常なのか、自分が異常なのか、判断が付かないのだった。そんなときに出逢ったのが、おすすめ本その①の「夢、死ね! 若者を殺す「自己実現」という嘘」だったのである。

 

3. 「夢、死ね!」は、サラリーマンの仕事の本質は『怒られたくない』ということだと教えてくれた

 

 この「夢、死ね」というタイトルは誤解を招くと思っている。本書は、元々は「凡人のための仕事プレイ事始め」という本を、加筆・修正したものであり、こちらのタイトルのほうが、内実をよく表していると思う。

 

 この本に限ったことではないが、著者の仕事に対するスタンスは一貫していて、

 

  • 自分に向いていることをせよ
  • 突き抜けた才能より、確実性・信頼感のほうがほとんどの仕事では重要
  • 仕事はプライベートっぽくなるほど楽しい。仕事をプレイと思って楽しむべき

  

 まず本著は、「夢」を語る人に対する批判からスタートする。「夢に向かって走り続けます!」「異業種交流会でレベルの高い人と集い、刺激を受けた。俺も夢にむかって頑張る」。なぜ著者がこれを批判するかというと、自分の「金持ちになりたい」「もてたい」という欲望を、「夢」という言葉でコーティングするからである。いや、そうではない、本当にかなえたい夢があるというのであれば、夢ではなく目標というべきだ、というのが筆者の変わらぬ主張である。

 

 そのうえで「夢を諦める日付を入れるべきだ」という言葉が入る。ちょっと脱線するが、代々木ゼミナールの名物講師で荻野暢也という人がいて、この人がインタビューでこう言っている(リンクを貼り付けようとしたら、消されていた。ニコニコ動画とかには上がっているみたいなので、興味を持たれた方はぜひ)。

 

  • 「一浪してセンター8割いかなかったら、未来永劫国公立医学部は諦めろ。そういうものなんだから」
  • 「日本人は夢を追いかけて成功する、ということを言い過ぎた。それがどれだけ若者の人生を奪っているか」
  • 「なれるものになればいいし、なれるものにしかなれない。それが幼いころに憧れていた職業でなかったとしても、それは恥ずかしいことでも何でもない」

  

 本書にも出てくるのだが、「夢」を諦めない一番の方法は、何もしないことである。挑戦して成功する人も勿論いる。だが、圧倒的多数はその夢に届かない。スポーツはまだいい。才能差が素人目にも歴然と現れるので、諦めやすい。問題は、例えばお笑いや小説家といった夢の職業で、客観的物差しがないだけに、引きずりやすい。

 

 そして夢を諦め、ないしは一旦横において仕事をしていくわけだが、仕事とは

 

  1. 生活のためにやる
  2. 人から怒られないようにする(そのために配慮をし、体を動かす)

 

ことが本質であると述べている。筆者がそう感じた瞬間は、博報堂時代に手掛けたAmazonの日本進出プロジェクトなのだが、詳細は本を読んでいただきたい。私にとって重要なのは、この「人から怒られないようにする」くだりだった。今まで、会社でなぜこんなことをするのか全く理解できない、という行動の多くは元々の源流をたどっていくと確かにこの言葉に行き着くなと、そこで初めて腹落ち出来た。今までは、会社の掲げる理念と実態が乖離しているように感じ、苦しさを覚えることもあったのだが、これを知って気が楽になった。*8

 

 そのうえで筆者が伝えたいことは、仕事をは「どうでもいいおっさんを出世させるため」にやることは多いが、それに勝る素晴らしを持っている、と説く。

 

 また脱線して恐縮だが、著者に限らず、フリーランスの方は仕事に対するスタンス、思考の深さがサラリーマンとはまるで違うと思っている。誰も働き方の指針を示してくれないし、そもそも仕事を自分から取りに行かないと生きていけない。かといって、何でもかんでも受ければいいかといわれると、そうでもない。ならば、自分にとって「受けられる仕事」「受けられない仕事」は何なのか、その線引きをして自分は仕事にあぶれないといえるのか、等考えることが山ほどある。

 

 著者が、「夢、死ね!」というのは、本物の夢ならばいざしらず、欲望をコーティングした偽りの夢に引っ張られるあまり、結果が伴わず死んでいくことが嫌いだからで、それを無自覚にあおる人間に怒りを覚えるからだと思っている。

 

 そして、かなり真実を捉えているのでは、と思ったのが、著者が掲げるフリーランスの人間の仕事の条件である。以下条件で3つあてはまる仕事をすることが理想、2つだと少し文句を言ってしまう、1つだと、文句を言う上に手抜きをしてしまう、1つもなければ、もはやそれは仕事ではない。

 

  1. 成長できる
  2. カネ払いが良い
  3. 仕事相手のことが好き

 

  人によって、各要素の重要度に差はあるかもしれないが、誰しもが仕事を受ける際にちらっと考えることではないかと思うのだが、如何だろうか。

 

 つらつらと書いてしまったが、雰囲気だけでも伝わっただろうか。特に就職をして、理想と現実の差に愕然としている人にこそ読んでほしいと思う。少なくとも自分はどう生きていきたいかを考えるきっかけにはなると信じている。

 

4. 「内定童貞」は、仕事の先に夢があることを教えてくれた

 

 冒頭で、私は中川氏という人は建前が嫌いな人間であると書いたが、今の世の中で最も建前がまかり通っているのが、就職活動ではないだろうか。そして、言葉を馬鹿正直に捉えてしまう人ほど、就活では苦戦するのではと思っている。彼らが求める人材は、少なくとも会社パンフレットには載っていない、少なくともごく一部しか現れていない。

 

 本著は、そもそも採用をする企業側の本音は

 

  • 稼げるヤツ
  • ガタガタ文句言わず働くヤツ
  • 聞かれたことに答えろ

 

だと述べて、ありがちな失敗例と、良い例を挙げている。類書は絶対に無い本だと断言できる。本著1冊抱えて就職活動に特講するのは危険かもしれないが、サブテキストとして置いておくだけの価値はあると強く言いたい。

 

 ただ、私が本著を推すのは、就職活動の実態がわかるから、ではない。私が本書をすごく好きなのは、最後のエピソードがあるからだ。

 

 「夢、死ね!」でもそうだが、読者の多くは、恐らく読んでいる途中から働くことにちょっとした幻滅を味わうはずだ。こんなことに、自分は人生を費やしていくのかという想いにかられる方もいるかもしれない。ただ、中川氏の伝えたいことは、そんな中でも仕事は楽しいこともあるし、続けていく中で夢にも届く、ということなのである。

 

 中川氏の文体は、作家の椎名誠氏によく似ている。これは偶然でもなんでもなく、中川氏は椎名氏に憧れ、「さらば国分寺書店のオババ」や、特に青春三部作である「哀愁の町に霧が降るのだ」「新橋烏森口青春篇」「銀座のカラス」で出てくる若者のドタバタ劇が滅茶苦茶好きだったらしい。なかでも憧れだったのが、椎名氏が編集者の人とビールなどを飲みながら、次の企画を考えることだったらしい。*9

 

 ただ、中川氏は出版社は倍率が高すぎるので諦めた。ところがフリーになって、本を書くようになった。それこそ、椎名氏の本で描かれていた「編集者との打ち合わせ」が現実のものとなり、本当に幸せだった。そして、中川氏の究極の夢は、モノカキとなるきっかけになった椎名氏と仕事をすること、しかもこちらからのお願いではなく(それだと相手の善意に付け込んだようにも感じてしまうので)、あくまで先方からの依頼を受けてやり、「よくやってくれたね」と言ってもらうこと。それが夢であると。

 

 そして、それが遂に叶った。冒頭で、私は番外編として「新橋烏森口青春篇」を出したが、このあとがきを書いたのは中川氏であり、これは椎名氏の依頼を受けたものだったのである。

 

 仕事の先に夢がある。このエピソードは本当に好きで、よく意味もなく読み返している。

 

 長くなってしまったが、上記2冊は特に仕事に悩んでいる人にこそ手に取ってほしい。少なくとも、私が知る限り、まず同じような本は無い。偉人エピソードは無いが、だからこそ刺さるものもあると思う。

 

以上

*1:完全に余談だが、中川氏はネットでも居心地の良いコミュニティ、悪いコミュニティがあり、「はてな」とは相性が最悪であると述べている

*2:本書を出した理由も、記事内で紹介させてもらおうと思ったのだが、上手く流れに載せられなかったので、やむを得ずここに書く。まず、本書は「仕事の最強理論は努力の娯楽化であり、娯楽化が出来るかどうかは、好きなものをやれているかどうかによる」と信じる楠木氏が、色々な有名人に「好きなものは何か」を聞いていくという、なんとも面白いインタビュー集。中川氏は常見陽平氏と一緒にインタビューに答えているのだが、2人は元々若かりし頃の楠木氏の授業の受講生であり、当時の話が結構出てくる。これはあくまで私の理解だが、楠木氏と中川氏は仕事に対する考え方は結構似ている(例えば、二人とも「夢」という言葉が嫌いで、「目標」と言え、とか)。ので、楠木氏の本が好きな人は、中川氏の本が刺さる可能性は高い。ただし、楠木氏の言葉遣いは割と上品というか、ユーモアを交えて批判するのに対し、中川氏は唾を吐きかけるような言葉で批判をしてくる。ので、生理的に無理、という人はいるかも。実際、私が周囲の人に中川氏の本を薦めたとき、相手が断る理由として「なんか嫌な気持ちになる」というのは結構多い。好き嫌いなのでそこはどうしようもないが、著者は自分に合わないものは何でもかんでも批判する、という人ではないことだけは言いたい。あと、中川氏は、自分を上において見下す、ということが絶対に無い

*3:この時期の代表的な仕事が『テレビブロス』の編集者

*4:スタートは「アメーバニュース」実は、中川氏は過去サイバーエージェントゴーストライターとして、新卒向けの会社案内の藤田社長のメッセージなども書いている

*5:のでサラリーマンには向いていない。本人も、博報堂を辞めた理由は、自分が窓際族になる将来が見えたからと書いているが、これは謙遜でもなんでもなく、事実だろう。

*6:主なエピソードは2つ。その①。この本は、当初中川氏が想定していた意図及び書いた原稿から大きく乖離している。当時、中川氏はニュースサイトの編集者であり、運営サイドの会社に原稿を事前に見せた。中川氏としては、本書の発刊と共に『これだけネットに精通している人間が編集者でいるんだ!』と読者を驚かせ、例えばネットとの正しい付き合い方的なセミナーを一緒に開けたら、という前向きな気持ちだったらしいのだが、その会社からすれば「ネットに超批判的な人間がネットで金儲けしてやがる」と集中砲火されるのは間違いなく、徹底的な修正が施されている。詳しくは「夢、死ね!」をご覧頂きたい。エピソードその②。こちらは、かなり重い話。この本の裏テーマは、中川氏が過去同棲し、2007年に自殺した女性への遺書というもので、第5章がそれにあたる。詳しい経緯を知りたい方は「ウェブでメシを食うということ」を読んでほしい。中川氏も、ある意味ネットによって不幸せになった人間であり、だからこそ、本書の「ネットはお前の人生を変えてはくれないんだ!」という叫びは真実味がこもっている

*7:今でもそうなんじゃないかと思っているが、就職活動の時期が近づくと一部の学生は変容する。今まで「C.C.のおっぱいの大きさはどれくらいなのか」を語り合っていた友人が、突如として「MECEに考えて、その発想は無いよね」などと語りだすのが、就職活動というものだった

*8:以後、嫌いな上司の小言を、一生懸命メモするふりをして「うるせえ、ハゲ」と書くような大人になった。そして、一方で自分の周りの人たちが怒られないように、自分なりに貢献することを心掛けた。

*9:現代でいうなら、「バクマン」の服部編集者のような感じだろうか。確かにああいう風にいい年をした大人が、ガチンコで語り合うのはいいなぁ、と思う。

【英語多読】Investment Banking Interview Questions and Answers Prep Guide (200 Q&As)(Chris. J. Brodie)

  •  タイトル通りで、仮にあなたがIBの面接を受けるのであれば、こういうことが聞かれますよ、それに対してはこう答えましょうね、という本
  • 類書が無い、という意味で有益か

 

 以前、こちらでも紹介した本は、あまりにも風変わりだったので、まともなアプローチも勉強しようと思って手にした。

 

 

 

 

 

whitepig.hatenablog.jp

 

  タイトル通りで、Q&Aがメイン。IB業務全般にわたってのQも用意されている。個人的な反省として、英語だとやはり理解力が相当落ちる。書かれている文章ですら、なかなか頭に入ってこない。これが口頭で聞かれるとなれば、まともな回答はまず出来ないだろう。自分の英語力の無さを実感する。

 

 完全に勉強用の本だったので、次は以前から読みたかった小説に取り掛かろうと思っている。

 

以上

 

【英語学習】FINAL FANTASY VII REMAKEで学んだこと

 

  • Mansion、という単語
  • FINAL FANTASY VII REMAKEの英語
  • 自分が日本語と英語の違いに興味を持った一番最初の切っ掛け

 

  1. Mansion、という単語

 皆さんが中学生くらいの頃、例えば次のような問題を英作文しなさい、という問題に出会わなかっただろうか?

  • 私は、東京駅の近くのマンションに住んでいる

これで、

  • I live in a mansion near Tokyo station.

と書き、×をくらった経験は多くの人があるのではないだろうか?mansionではなく、apartmentであり、日本語のマンションと英語のmansionは別物だと。

 

 ちなみに、mansionはLONGMANの定義だと、”a very large house”、日本語では「屋敷」とか「大邸宅」といった感じで訳す。

 

 ただ、このmansionという単語、私の読書量が乏しいことが原因だと思うが、意外と見ない。しかし、先日、初めてこの単語が実際に使われているシーンを見つけた。

 

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さて、どのシーンかわかるだろうか?
  • And where's she going to meet him? A mansion filled with his goons.

 

 ちなみに後ろの"goon"という単語もあまり見慣れない単語だが、同じくLONGMANの定義だと、

となっており、こちらではAmericanの定義で使われていると推察される。

 

 さて、答え合わせをしたい。まず、そもそも元になった原文はどうなっているだろうか?

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オリジナルバージョン
  • ティファが行ったのはそんな人と大勢の手下がいる場所

 

 ここまでくると、少なくともプレイしたことがある人ならば、どのシーンかわかったと思う。これは、ティファがコルネオのところへ連れ去られたシーンであり、ここでいうmansionはコルネオの屋敷のことを指している。

 

 皆さんは、今後"mansion"=コルネオ、と覚えておけば忘れない。少なくとも自分は一生この単語を忘れないと思う。

 

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mansion

 

 2. FINAL FANTASY VII REMAKEの英語

 上記で私は、日本語をオリジナルとし、英語版を翻訳という前提で書いている。それを何で判断したか、細かい人は気になるかと思うので、少し補足させてほしい。

 

 本書の攻略本として、「FINAL FANTASY VII REMAKE ULTIMANIA」というのがある。

 

 

大きさ、厚さは、下記から推察してほしい。

 

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最早辞書

 この大きさから推察される通り、単純なゲーム攻略というより、半分資料集となっている本。クリエイターの方々のスタッフも掲載されているのだが、お持ちの方は、p.692を開いて頂きたい。そこで、本作品の『リードローカライズ・プロジェクトマネージャー』を担当された上田訓子氏のインタビューが掲載されており、下記のようなコメントがあることが確認できる。

 

Q:もっとも苦労した点は?

A:世界観、セリフ、ゲームの仕様などはすべて日本語から作成され、海外版の作業をしているあいだにも、日本語版の開発や調整が行われます。(略)

 

さらに、その前の質問に目を通して頂くと、

 

Q:言語ごとに翻訳の難しさの差はありましたか?

A:ローカライズのスタッフは、プレイヤーの方々がどの言語で遊んでも、日本語版と同じ感動、驚き、楽しみが得られるよう、細部にわたって心をこめて翻訳しています。(略)

 

 つまり、本作品の英語版は、FF7のスタッフによる(英語版の場合は、同ページに同じくインタビューが載っているSabin Ben氏かな?)FF7和文英訳、と言える。

 

※余談だが、海外の声優さんも明らかに日本の声優さんの声に似ている方が選ばれていると思う。

※さらに余談だが、Sabin氏のインタビューによれば、エアリスの英語版の声優さんBriana Whiteさん。You tubeで見るとわかるが、メッチャ明るい笑)が、あの夜の会話シーンを収録した後「演じているあいだ、ずっと涙をこらえていたの。プレイヤーたちは絶対感動するわ」と言っていたそうです。あなたの予言は正しかったですね

 

 

 この観点で英語版を見ると本当に面白い。冒頭の例は、そもそも単語の話だけど、言い回しそのものが変わっているケースも結構ある。

 

 例えば、序盤のここ。

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クラウドの胸に刺さっている花のことを指してます
  • それ、どうしたの?本物でしょ。めずらしいね

 

 仮に皆さんが、この文章を英訳しなさい、と言われたらどう訳すだろうか?ちなみに私はrarelyを使うのではないかなと思っていた。

 さて、FF7スタッフがどう訳したかというと…

 

 

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ここで流れているBGMも結構好き
  • "Where'd you get that? I can't remember the last time I saw a real one."

 

 直訳すると、「最後に本物を見たときがいつか覚えてないよ」だろうか。ああ、英語ってこういう発想をするんだな、と思った。使われている英語の表現は平易だけど、少なくとも自分の実力では、あの日本文からこの英文は絶対書けない。

 

 あとは、例えば自分が凄く好きな台詞は、英語だとどう訳すのだろう、という観点もある。例えば、私個人として、本作品で最も感動した台詞に下記がある。

 

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エアリスの人柄がよくわかる名シーンだと思う

お店が壊れてしまうと泣くマリンに対し、

 

  • 悲しいよね。でも、家族がそろえば、そこがおうちだよ?

 

坂本真綾さんの名演技もあって、本当に感動する。エアリスの過去も踏まえると、滅茶苦茶深い台詞だと思っている。

 

 さて、これを英語にするとどうなるだろうか?

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ここで流れるのがエアリスのテーマっていうのがいいよね
  • "I know it's hard. Just remember, you still have your daddy. You can build a new home together. Anywhere."

 

 昔、駿台予備校で勝田耕史という先生に英作文を習ったのだけど、その先生が繰り返い言っていたこととして、「絶対に日本語のはめ込み合成をするな。原文の意味を考えて、自分の使える表現で表せ」みたいなことを言ってたんだけど、まさにその例かな。

 

 また、エアリスといえば、すごく些細な台詞だけど、教会からエアリスの家に行く途中で、古い梯子を登るシーンがあって、そこでエアリスのことを心配するクラウドに対し、

 

  • 心配しすぎ。わたし、お姫様じゃないよ

 

というシーンがある。これは、英語だと、

 

  • You worry too much. I'm not some princess who needs to be coddled.

 

"some"を使って、「私は(色々なお姫様がいるけど)大事に扱われるお姫様じゃないよ」と表現するのも面白かった。日本語だと断定する(というか、言わなくても「わたし、お姫様じゃないよ」という台詞だけで、深窓の姫君のようなイメージが頭に浮かぶので、言う必要がない)けど、英語はその辺をきっちり表現するんだなと思った。

 

※またまた余談だけど、エアリスは”Aerith"と書く。教会に落ちたところで、エアリスが自己紹介するシーンがあるが、何度聞き返しても「ス」が聞こえない。自分は本当に"th"の発音が駄目なんだな、とちょっと悲しくなった

 

 一粒で二度美味しい、FINAL FANTASY VII REMAKEの話でした。

 

 

  3. (余談)自分が日本語と英語の違いに興味を持った一番最初の切っ掛け

 

 奇遇だが、それもFFだったりする。ただし、Ⅶではなく、X。

 

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とても悲しかったラストシーン

 ここで、ヒロインであるユウナが言っている台詞は、英語だと”I love you.”。今までとは逆に、これを日本語に直しなさい、と言われてオリジナルの日本語に復元できる人はいないと思う。私の記憶違いだったら申し訳ないが、「ファイナルファンタジーX アルティマニアΩ 」という攻略本に、翻訳者の方が「ここは I love youじゃないと、伝わりません」と主張されたので、そう訳したんです、といったくだりがあったと思う。

 

 

 

 このED、というかこの作品をたくさんの人に見てほしいので、あえてオリジナルの日本語は載せません。You tubeでも見れますので、是非下さい。私はこれで、日本語が好きになりました。関東でいう「馬鹿」、関西でいう「アホ」と同じで、色んな意味がこめられている単語です。

 

以上

【英語多読】THE DEVOTION OF SUSPECT X(Keigo Higashino )

※内容について、ネタバレあり

 

 英語多読を初めて100万語にたどり着くまでに、私の場合は64冊必要だった。単純に100万を64で割ると、15,625語になる。ラダーシリーズの少し長いのと同様くらいの長さだろうか?ちなみに初めて読んだ話は「Littel Mouse's Red Vest」、日本語の「ねずみくんのチョッキ」であり、192語だった。

 

 たかだが64冊程度であるが、そんなレベルでもある程度分かったことがある。それは、「ミステリーは読んでいて面白いと感じることが多い」ということだった。ちなみに私は日本語ではミステリーをほぼ読まない。あまり面白いと思えないからだ。にもかかわらず、なぜ英語だと面白いと感じるかというと、

 

・ミステリーは事実さえ理解出来れば、筋を追うことが出来る

 

からだと思っている。他にも例えば、筆者の主張が繰り返し出てくる論説文などは、内容の推測が容易なので読みやすい。

 

 対照的なのが、主人公の心情や微妙な機微を追う必要があるもの、例えば女性作家による恋愛小説とかである。実際に英語版で読んだわけではないが、翻訳版の江國香織の小説とかを、自分の英語力で面白いと思えるかは相当疑わしい。

 

 さて、無理やりスペースを稼いだ。文頭の注意文だけでは足らない人もいるかと思ったが、そろそろ確信に触れてもいいだろう、たぶん。

 

 タイトルを日本語に直すと(というか戻すと)「容疑者xの献身」東野圭吾氏による超有名な小説である。名前くらいは聞いたことがあるという人も多いのではないか?

 

 繰り返しになってしまうが、私はあまりミステリーが好きではない。この本を手に取った理由は、上述の「ミステリーは面白いと感じることが多い」というのがまず第一にある。加えて、本屋で見たときのカバーに惹かれた。

 

 

 如何だろう?読み終えた今では、なお一層よく見える。小説の雰囲気をよく伝えてくれているから。

 

 ただ、買って読み始めたはよいものの、私の語彙力では少々きつかった。つっかえつっかえになってしまう。そこで、Kindle版を購入した。値段は734円。洋書は実物で買うと高いが、Kindleだと和書とそこまで変わらない。

 

 Kindleでは、WordWiseという機能があり、単語のいくつかには、上に簡単な説明がついている。例えば、"back room"="a room located in the rear"。ただ、多くの人がわかるんじゃないか?という人に説明がついている一方で、なぜこの単語に説明がないんだ、というケースもある。どうしても気になる場合は、その単語を長押しすると、内蔵されている辞書に飛ぶ。多くの場合、参照先が英和辞書ではなく、英英辞書だったりすることもあるが、ないよりは余程良い。

 

 ストーリーだが、もちろんトリックも驚いたのが、何よりヒロインが石神に対し、全くの悪意無く、興味関心がないところが痛かった。というか、石神の行動すべてが辛くなった。つくづく思うが、勉強は全ての問題を解決してくれるわけではない。頭が良い人が常に幸せかというとそうでもなく、むしろ小利口な人のほうが経済的に成功する可能性は高いのではと思っている。経済的な成功=幸せかは、もちろん人によるだろうけど。

 

 かといって、そういう人たちに、その努力をこうした方向に使ってみては、といっても聞き入れてもらえないと思う。なぜならば、彼らはそうとしか生きられないから。仮に私に石神ほどの卓越した頭脳があれば、このヒロインを振り向かせる(というかそうせざるを得ない方向に追い込む)ことは出来ると思うが、そういう人間であったら、そもそもここまでの人間にならない気がする。いや、あくまで小説の話であることは理解しているのだが、読んでいる最中、何人か心当たりのある人の顔が浮かんで、辛かった。

 

以上

【英語多読】Breaking Into Investment Banking: An Unorthodox Approach(A. OVEISSI)

  •  職業内容や業界研究にはほとんど言及されず、いかにコネを作るか、に焦点が置かれている

  • 「人生は平等ではない」ってわざわざ目次で書く必要があるくらい、不平等な社会なんだろう
  • Linkedinで見る限り、著者はイギリス在住。また、過去勤務先の具体的な会社名等は載っていない。話半分で見るべきか

 

 

 これを読んでいるあなたが、「あなたの仕事に就くための入門書を書いて下さい」と言われたら、どういう構成にするだろうか?個人的には仕事に対するスタンスが見える気がしていて、例えば尊敬する先輩がどういうことを書くか大変興味がある。

 

 ただ、「コネを作りなさい。出来る限りたくさんの偉い人と会うんだ」と書く人は少ないんじゃないかな。この本はその逆。もちろん、「自分のゴールをはっきりさせなさい」とかもあるけど。例えば、DCMとは何かとか、主要バンクはどこかとか、その後の進路はどうなっているかとかはほぼ言及がない。“What this book is not”という章では、そんなのは自分で調べろ、この本はルールを曲げるための方法を教えてやるんだと書いてある。

 

 しかしながら、もし本当に誰でも成功する秘密テクニックがあるのであれば、こんな本にして公にする必要はない。"Unorthodox"とはいうものの、「誰もがうっすらと気づいているけど、公に出来ない不都合な真実」を真正面から認めて、それを前提にどう行動すべきかを書いた本、というのが私の理解。

 

 私は海外の就職事情には明るくないけど、少なくともアメリカやイギリスは職能別採用が一般的、と聞いたことがある。その場合、採用権限を部門の責任者が持つので、結局その人が候補者を気に入るかどうかが採用のキーとなるはず。日本はまだまだ新卒一括採用がメジャーだから、IT分野を除けばこうした採用は少ないけど、今後こうした採用が一般的になれば、また在り方も変わってくるんだろう。そうするとこの本で書かれたように、「偉い人をパパに持つと有利」みたいなことが頻発し、格差の固定化に繋がっていくような気もしている。

 

 あと、立ち振る舞いについても多くのページを割かれていたのが驚いた。一番驚いたのは、「アクターズスクールに通え」っていうくだり。最初はギャグかと思ったけど、たぶん著者は大真面目に書いている。それくらい、見た目とか行動とかが重視されるのかもしれない。

 

ちなみに目次はこんな感じ

  1. THINGS TO BEAR IN MIND
  • Demigods of finance
  • Yours truly
  • What this book is not
  1. REALITY DOESN’T SUCK- IT’S PERFECTt
  • Whatever your Reasons, Make sure They’re solid
  • There is not One Set Path
  • Life isn’t Fair
  • You Have to Create your Own Rules
  • See Failure as Experience – Amass a Ton of it
  1. KNOW YOUR TARGET
  • Know Thyself
  • The Illusion of “Busyness”
  • Choose Wisely
  • Believe and Kiss the Bridge (or Groom)
  1. ALWAYS PUSH YOUR LIMITS
  • Stand Out From the Crowd
  • Act Like a Banker
  • Look Beautiful
  1. BUILD LONG-LASTING RELATIONSHIPS
  • Focus on Building Long-term Relationships
  • Create Opportunities for Relationship Building
  • Don’t Be a Kiss-ass
  1. YOU ARE AN ENTERPRENEUR
  • You=Business
  • Never be Complacent
  • Challenge and Improve yourself Every Day
  • Take an Acting Course
  • Make Mistakes
  1. IN CONCLUSIOM
  • Parting Thoughts

 

以上