【英語学習】FINAL FANTASY VII REMAKEで学んだこと
- Mansion、という単語
- FINAL FANTASY VII REMAKEの英語
- 自分が日本語と英語の違いに興味を持った一番最初の切っ掛け
- Mansion、という単語
皆さんが中学生くらいの頃、例えば次のような問題を英作文しなさい、という問題に出会わなかっただろうか?
- 私は、東京駅の近くのマンションに住んでいる
これで、
- I live in a mansion near Tokyo station.
と書き、×をくらった経験は多くの人があるのではないだろうか?mansionではなく、apartmentであり、日本語のマンションと英語のmansionは別物だと。
ちなみに、mansionはLONGMANの定義だと、”a very large house”、日本語では「屋敷」とか「大邸宅」といった感じで訳す。
ただ、このmansionという単語、私の読書量が乏しいことが原因だと思うが、意外と見ない。しかし、先日、初めてこの単語が実際に使われているシーンを見つけた。
- And where's she going to meet him? A mansion filled with his goons.
ちなみに後ろの"goon"という単語もあまり見慣れない単語だが、同じくLONGMANの定義だと、
- especially British English a silly or stupid person
- especially American English a violent criminal who is paid to frighten or attack people
となっており、こちらではAmericanの定義で使われていると推察される。
さて、答え合わせをしたい。まず、そもそも元になった原文はどうなっているだろうか?
- ティファが行ったのはそんな人と大勢の手下がいる場所
ここまでくると、少なくともプレイしたことがある人ならば、どのシーンかわかったと思う。これは、ティファがコルネオのところへ連れ去られたシーンであり、ここでいうmansionはコルネオの屋敷のことを指している。
皆さんは、今後"mansion"=コルネオ、と覚えておけば忘れない。少なくとも自分は一生この単語を忘れないと思う。
2. FINAL FANTASY VII REMAKEの英語
上記で私は、日本語をオリジナルとし、英語版を翻訳という前提で書いている。それを何で判断したか、細かい人は気になるかと思うので、少し補足させてほしい。
本書の攻略本として、「FINAL FANTASY VII REMAKE ULTIMANIA」というのがある。
大きさ、厚さは、下記から推察してほしい。
この大きさから推察される通り、単純なゲーム攻略というより、半分資料集となっている本。クリエイターの方々のスタッフも掲載されているのだが、お持ちの方は、p.692を開いて頂きたい。そこで、本作品の『リードローカライズ・プロジェクトマネージャー』を担当された上田訓子氏のインタビューが掲載されており、下記のようなコメントがあることが確認できる。
Q:もっとも苦労した点は?
A:世界観、セリフ、ゲームの仕様などはすべて日本語から作成され、海外版の作業をしているあいだにも、日本語版の開発や調整が行われます。(略)
さらに、その前の質問に目を通して頂くと、
Q:言語ごとに翻訳の難しさの差はありましたか?
A:ローカライズのスタッフは、プレイヤーの方々がどの言語で遊んでも、日本語版と同じ感動、驚き、楽しみが得られるよう、細部にわたって心をこめて翻訳しています。(略)
つまり、本作品の英語版は、FF7のスタッフによる(英語版の場合は、同ページに同じくインタビューが載っているSabin Ben氏かな?)FF7の和文英訳、と言える。
※余談だが、海外の声優さんも明らかに日本の声優さんの声に似ている方が選ばれていると思う。
※さらに余談だが、Sabin氏のインタビューによれば、エアリスの英語版の声優さん(Briana Whiteさん。You tubeで見るとわかるが、メッチャ明るい笑)が、あの夜の会話シーンを収録した後「演じているあいだ、ずっと涙をこらえていたの。プレイヤーたちは絶対感動するわ」と言っていたそうです。あなたの予言は正しかったですね
この観点で英語版を見ると本当に面白い。冒頭の例は、そもそも単語の話だけど、言い回しそのものが変わっているケースも結構ある。
例えば、序盤のここ。
- それ、どうしたの?本物でしょ。めずらしいね
仮に皆さんが、この文章を英訳しなさい、と言われたらどう訳すだろうか?ちなみに私はrarelyを使うのではないかなと思っていた。
さて、FF7スタッフがどう訳したかというと…
- "Where'd you get that? I can't remember the last time I saw a real one."
直訳すると、「最後に本物を見たときがいつか覚えてないよ」だろうか。ああ、英語ってこういう発想をするんだな、と思った。使われている英語の表現は平易だけど、少なくとも自分の実力では、あの日本文からこの英文は絶対書けない。
あとは、例えば自分が凄く好きな台詞は、英語だとどう訳すのだろう、という観点もある。例えば、私個人として、本作品で最も感動した台詞に下記がある。
お店が壊れてしまうと泣くマリンに対し、
- 悲しいよね。でも、家族がそろえば、そこがおうちだよ?
坂本真綾さんの名演技もあって、本当に感動する。エアリスの過去も踏まえると、滅茶苦茶深い台詞だと思っている。
さて、これを英語にするとどうなるだろうか?
- "I know it's hard. Just remember, you still have your daddy. You can build a new home together. Anywhere."
昔、駿台予備校で勝田耕史という先生に英作文を習ったのだけど、その先生が繰り返い言っていたこととして、「絶対に日本語のはめ込み合成をするな。原文の意味を考えて、自分の使える表現で表せ」みたいなことを言ってたんだけど、まさにその例かな。
また、エアリスといえば、すごく些細な台詞だけど、教会からエアリスの家に行く途中で、古い梯子を登るシーンがあって、そこでエアリスのことを心配するクラウドに対し、
- 心配しすぎ。わたし、お姫様じゃないよ
というシーンがある。これは、英語だと、
- You worry too much. I'm not some princess who needs to be coddled.
"some"を使って、「私は(色々なお姫様がいるけど)大事に扱われるお姫様じゃないよ」と表現するのも面白かった。日本語だと断定する(というか、言わなくても「わたし、お姫様じゃないよ」という台詞だけで、深窓の姫君のようなイメージが頭に浮かぶので、言う必要がない)けど、英語はその辺をきっちり表現するんだなと思った。
※またまた余談だけど、エアリスは”Aerith"と書く。教会に落ちたところで、エアリスが自己紹介するシーンがあるが、何度聞き返しても「ス」が聞こえない。自分は本当に"th"の発音が駄目なんだな、とちょっと悲しくなった
一粒で二度美味しい、FINAL FANTASY VII REMAKEの話でした。
3. (余談)自分が日本語と英語の違いに興味を持った一番最初の切っ掛け
奇遇だが、それもFFだったりする。ただし、Ⅶではなく、X。
ここで、ヒロインであるユウナが言っている台詞は、英語だと”I love you.”。今までとは逆に、これを日本語に直しなさい、と言われてオリジナルの日本語に復元できる人はいないと思う。私の記憶違いだったら申し訳ないが、「ファイナルファンタジーX アルティマニアΩ 」という攻略本に、翻訳者の方が「ここは I love youじゃないと、伝わりません」と主張されたので、そう訳したんです、といったくだりがあったと思う。
このED、というかこの作品をたくさんの人に見てほしいので、あえてオリジナルの日本語は載せません。You tubeでも見れますので、是非下さい。私はこれで、日本語が好きになりました。関東でいう「馬鹿」、関西でいう「アホ」と同じで、色んな意味がこめられている単語です。
以上