【英語多読】THE DEVOTION OF SUSPECT X(Keigo Higashino )

※内容について、ネタバレあり

 

 英語多読を初めて100万語にたどり着くまでに、私の場合は64冊必要だった。単純に100万を64で割ると、15,625語になる。ラダーシリーズの少し長いのと同様くらいの長さだろうか?ちなみに初めて読んだ話は「Littel Mouse's Red Vest」、日本語の「ねずみくんのチョッキ」であり、192語だった。

 

 たかだが64冊程度であるが、そんなレベルでもある程度分かったことがある。それは、「ミステリーは読んでいて面白いと感じることが多い」ということだった。ちなみに私は日本語ではミステリーをほぼ読まない。あまり面白いと思えないからだ。にもかかわらず、なぜ英語だと面白いと感じるかというと、

 

・ミステリーは事実さえ理解出来れば、筋を追うことが出来る

 

からだと思っている。他にも例えば、筆者の主張が繰り返し出てくる論説文などは、内容の推測が容易なので読みやすい。

 

 対照的なのが、主人公の心情や微妙な機微を追う必要があるもの、例えば女性作家による恋愛小説とかである。実際に英語版で読んだわけではないが、翻訳版の江國香織の小説とかを、自分の英語力で面白いと思えるかは相当疑わしい。

 

 さて、無理やりスペースを稼いだ。文頭の注意文だけでは足らない人もいるかと思ったが、そろそろ確信に触れてもいいだろう、たぶん。

 

 タイトルを日本語に直すと(というか戻すと)「容疑者xの献身」東野圭吾氏による超有名な小説である。名前くらいは聞いたことがあるという人も多いのではないか?

 

 繰り返しになってしまうが、私はあまりミステリーが好きではない。この本を手に取った理由は、上述の「ミステリーは面白いと感じることが多い」というのがまず第一にある。加えて、本屋で見たときのカバーに惹かれた。

 

 

 如何だろう?読み終えた今では、なお一層よく見える。小説の雰囲気をよく伝えてくれているから。

 

 ただ、買って読み始めたはよいものの、私の語彙力では少々きつかった。つっかえつっかえになってしまう。そこで、Kindle版を購入した。値段は734円。洋書は実物で買うと高いが、Kindleだと和書とそこまで変わらない。

 

 Kindleでは、WordWiseという機能があり、単語のいくつかには、上に簡単な説明がついている。例えば、"back room"="a room located in the rear"。ただ、多くの人がわかるんじゃないか?という人に説明がついている一方で、なぜこの単語に説明がないんだ、というケースもある。どうしても気になる場合は、その単語を長押しすると、内蔵されている辞書に飛ぶ。多くの場合、参照先が英和辞書ではなく、英英辞書だったりすることもあるが、ないよりは余程良い。

 

 ストーリーだが、もちろんトリックも驚いたのが、何よりヒロインが石神に対し、全くの悪意無く、興味関心がないところが痛かった。というか、石神の行動すべてが辛くなった。つくづく思うが、勉強は全ての問題を解決してくれるわけではない。頭が良い人が常に幸せかというとそうでもなく、むしろ小利口な人のほうが経済的に成功する可能性は高いのではと思っている。経済的な成功=幸せかは、もちろん人によるだろうけど。

 

 かといって、そういう人たちに、その努力をこうした方向に使ってみては、といっても聞き入れてもらえないと思う。なぜならば、彼らはそうとしか生きられないから。仮に私に石神ほどの卓越した頭脳があれば、このヒロインを振り向かせる(というかそうせざるを得ない方向に追い込む)ことは出来ると思うが、そういう人間であったら、そもそもここまでの人間にならない気がする。いや、あくまで小説の話であることは理解しているのだが、読んでいる最中、何人か心当たりのある人の顔が浮かんで、辛かった。

 

以上