【英語多読】Breaking Into Investment Banking: An Unorthodox Approach(A. OVEISSI)

  •  職業内容や業界研究にはほとんど言及されず、いかにコネを作るか、に焦点が置かれている

  • 「人生は平等ではない」ってわざわざ目次で書く必要があるくらい、不平等な社会なんだろう
  • Linkedinで見る限り、著者はイギリス在住。また、過去勤務先の具体的な会社名等は載っていない。話半分で見るべきか

 

 

 これを読んでいるあなたが、「あなたの仕事に就くための入門書を書いて下さい」と言われたら、どういう構成にするだろうか?個人的には仕事に対するスタンスが見える気がしていて、例えば尊敬する先輩がどういうことを書くか大変興味がある。

 

 ただ、「コネを作りなさい。出来る限りたくさんの偉い人と会うんだ」と書く人は少ないんじゃないかな。この本はその逆。もちろん、「自分のゴールをはっきりさせなさい」とかもあるけど。例えば、DCMとは何かとか、主要バンクはどこかとか、その後の進路はどうなっているかとかはほぼ言及がない。“What this book is not”という章では、そんなのは自分で調べろ、この本はルールを曲げるための方法を教えてやるんだと書いてある。

 

 しかしながら、もし本当に誰でも成功する秘密テクニックがあるのであれば、こんな本にして公にする必要はない。"Unorthodox"とはいうものの、「誰もがうっすらと気づいているけど、公に出来ない不都合な真実」を真正面から認めて、それを前提にどう行動すべきかを書いた本、というのが私の理解。

 

 私は海外の就職事情には明るくないけど、少なくともアメリカやイギリスは職能別採用が一般的、と聞いたことがある。その場合、採用権限を部門の責任者が持つので、結局その人が候補者を気に入るかどうかが採用のキーとなるはず。日本はまだまだ新卒一括採用がメジャーだから、IT分野を除けばこうした採用は少ないけど、今後こうした採用が一般的になれば、また在り方も変わってくるんだろう。そうするとこの本で書かれたように、「偉い人をパパに持つと有利」みたいなことが頻発し、格差の固定化に繋がっていくような気もしている。

 

 あと、立ち振る舞いについても多くのページを割かれていたのが驚いた。一番驚いたのは、「アクターズスクールに通え」っていうくだり。最初はギャグかと思ったけど、たぶん著者は大真面目に書いている。それくらい、見た目とか行動とかが重視されるのかもしれない。

 

ちなみに目次はこんな感じ

  1. THINGS TO BEAR IN MIND
  • Demigods of finance
  • Yours truly
  • What this book is not
  1. REALITY DOESN’T SUCK- IT’S PERFECTt
  • Whatever your Reasons, Make sure They’re solid
  • There is not One Set Path
  • Life isn’t Fair
  • You Have to Create your Own Rules
  • See Failure as Experience – Amass a Ton of it
  1. KNOW YOUR TARGET
  • Know Thyself
  • The Illusion of “Busyness”
  • Choose Wisely
  • Believe and Kiss the Bridge (or Groom)
  1. ALWAYS PUSH YOUR LIMITS
  • Stand Out From the Crowd
  • Act Like a Banker
  • Look Beautiful
  1. BUILD LONG-LASTING RELATIONSHIPS
  • Focus on Building Long-term Relationships
  • Create Opportunities for Relationship Building
  • Don’t Be a Kiss-ass
  1. YOU ARE AN ENTERPRENEUR
  • You=Business
  • Never be Complacent
  • Challenge and Improve yourself Every Day
  • Take an Acting Course
  • Make Mistakes
  1. IN CONCLUSIOM
  • Parting Thoughts

 

以上